空いている隣接地を取得するための補助金について


もし自分の空き家が再建築不可な場所に建っていたり、または面積が狭小で、まず売れることが期待できない場合、直して貸すしか方法がないのでしょうか?
そうではなく、隣の人に買ってもらうという方法があります。
隣の人に買ってもらうことによって、土地全体として再建築可能になるとか、面積が広くなるなどで、利用価値が出てくるということがあります。
隣の人にしても、隣接地を一体として使うことには、具体的に下記のような点をかなえることができます。
・隣が空き家だと防犯上のリスクが高まる。隣もきれいなほうが良い。
・空き地なら、庭として使える。手入れしていないと防犯上不安になる。
・隣の人も以前付き合いがあって知らない人ではないので、手伝えるなら買いたい。
・自分は定住しているか、これから住むので、新規住宅やリフォーム等で拡張したい。
つまり、隣の空き家はただの空き家ではない、というわけです。
それでは、隣の空き家、空き地を取得する際の補助金は、どういうものがあるのでしょうか?

大阪府大東市の補助金の例

大阪府東部にある大東市には、奈良県へとつながる山の斜面の急傾斜地にも、多くの狭小住宅が建っています。
そういう急傾斜地の狭小住宅は空き家も多くあります。
そんな大東市ですが、狭小住宅を解消し、良質な住空間を創出するため、50㎡以下の隣接地(民有地)を買い取る際に補助を行う「隣接地等取得費補助事業」を行っています。
http://www.city.daito.lg.jp/kakukakaranoosirase/machizukuri/jyutakuseisaku/rinsetuti/hojo.html
補助の対象者は、大東市内に1年以上暮らす個人で、2m以上境界を接する50㎡以下の隣接地の取得時、ということになります。
この補助金の狙いは、狭い住宅地を住みやすくするために、お隣の土地を買ってください。その場合は補助します、という趣旨内容に要約できます。
対象区域は市街化区域であり、市街化調整区域は対象外となっています。
また、立地適正化計画策定後、居住誘導区域内で適用する、つまり住宅を建ててほしい所に限る、ということになっています。
補助の対象は、測量費用・明示費用、登記費用、不動産仲介手数料、不動産取得費用となっています。
また、隣接地の上にある建物取得も対象となるようです。
補助額ですが、最大50万円で、不動産取得費用の10分の1までで、それ以外については費用の2分の1となっています。

大阪市の隣接取得型戸建住宅建替建設費補助制度の例

大阪市には、狭小住宅が多く、木造住宅密集地域の多い地域があります。
大阪市はそういう地区を、「特に優先的な取り組みが必要な密集住宅市街地」(優先地区)と位置付けています。
そういう地区で、未接道敷地等を解消する目的で、隣接地を取得して、その敷地を戸建住宅に建て替える場合、設計費、解体費等の一部を補助するという制度があります。
http://www.city.osaka.lg.jp/toshiseibi/page/0000430053.html
対象となる敷地は、地域的には、西成区や阿倍野区の一部などに所在している優先地区です。
平成30年4月1日以降、売買により隣接する土地を取得したもので、隣接する土地取得後の敷地面積が、80㎡以上150㎡未満であること、となっています。
建て替え前の建物は、昭和56年5月31日以前に建てられた建築物です。
建て替え後の建物の条件は、戸建住宅で耐火建築物又は準耐火建築物、住宅部分面積50㎡以上、2以上の居住室、壁面や塀などを道路境界線から0.5m以上後退または接道部周辺に敷地面積の5%以上の空地を確保、ということです。
補助率が、設計、解体等に要する費用の3分の2以内、となっています。

今後こういう補助金は増えるか

上記の他に、三重県四日市市にも同様の隣接地取得補助制度の補助金があります。
全国的にも、埼玉県の住宅地のように、こういった補助金が散見されるようになっており、主に狭小住宅が開発された地域などに見られるようです。
人口や世帯が減少しているため、空き家が増えてきましたが、その一方で、住宅1件当たりの面積が狭い、再建築できない土地等の場合は、つなげることに意味があると言えます。
また防災上も、隣接地取得により、道路を広げたり、防火建物にすることが、有益と認識されていると思います。
それで、地方自治体の財政が厳しい中においても、こういった補助金を用いて、空いている隣接地の取得のための補助金を創設、運用する自治体が出てきている、ということになります。
皆様の居住している自治体においても、そういった補助金があるかどうか、調査してみられても良いかと思います。
また空き家を持っている方においても、隣の方に買ってもらえるかもしれず、そういう方法も模索してみるべきかもしれません。

空き家の活用においても、隣接している方に買ってもらうという方法もありますし、またそのための補助のある自治体もあります。
そういった空き家の活用についてもお困りの場合は、弊社または当職においても相談を受け付けております。
またお気軽にお問い合わせください。

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