空き家の値段はどうやって調べるのか

空き家の価値を知ることは、もし売る場合に、どれだけで売れるのかを知る指標となります。
では、どうやって空き家の値段、価値を調べることができるのでしょうか?
なお、ここでは建物の価値が0であるとみなして、土地の価格についてのみ説明をします。

実勢価格について

実勢価格とは、一言でいうと、実際に市場で取引されている価格のことを言います。
よくスーパーで売っている野菜でも肉でも、だいたいの相場が形成されています。
そしてその大体の相場より安かったら、購入が促進され、相場より高ければ、購入が抑制されます。
土地も同じように、周辺の類似価格の取引事例を集めてみると、安い取引や高い取引が混在していますが、㎡単価や坪単価は似たようなところが多くあります。
これが実勢価格と言われるものです。
通常の製品などは、定価を知っていて、それより高いか安いかを判断しやすいのです。
しかし、土地の場合は、1つ1つが異なります。
そして異なる土地について、異なる価格が付いているため、判断が難しいのです。
土地の実勢価格とは、過去の取引事例から求めた平均的な価格であって、将来の取引で成立しそうな価格ではありません。
それで、他の商品とは同じではありません。
実勢価格とは、幅のある価格帯ということもできます。

公示地価について

公示地価とは、国土交通省が定めた地点を対象に、地価公示法に基づき、毎年1月1日に、その地点の価格を公示するものです。
そして、毎年3月中旬ごろに発表されます。
土地価格が、一般の人にも分かりやすいように、国土交通省が指標を定めているという言い方もできます。
つまり、当事者間の特殊な事情を除いた自由な取引で、通常成立するであろう客観的な土地価格の目安を定めたものを、公示地価というわけです。
工事価格が公示される標準地は、その地域内の利用状況や環境、形状、面積が標準的であろうと思われる土地を、国土交通省の土地鑑定委員会で決めています。
その他、土地の周辺の状況以外に、電気水道ガス駅までの距離などの状況も加味されています。
それで、土地が小さすぎたり変形したりしている所は、標準地とはなりません。
また、更地の状態としての評価となります。
この公示地価ですが、あくまでも土地の取引の際の指標であり、実際の取引価格とは差が出ます。
例えば、これから取引しようとしている土地が、公示地点よりも駅に近いと土地が高くなり、道幅が狭いと安くなるといった条件を照らし合わせて比較を行い、おおよその土地の価格を判断するということです。
国土交通省は、公示地価の役割を、以下の通り位置付けています。
1.不動産鑑定の基準
2.公共事業用地の取得価格算出の基準
3.土地の総合評価、固定資産税評価についての基準
4.国土利用計画法による土地の価格審査の基準
このように公共用地の取得や固定資産税評価の基準として、また企業会計における資産の時価評価になるなどの役割を持っていることが分かります。

路線価について

土地の価値は、面する道路に大きな影響を受けます。
それで、税務署(国税局)が市街地の道路に価格を設定し、その道路に面する土地の評価をすると定めています。
それが、路線価というものです。
路線価は、相続税や贈与税を算出する評価額、ということになります。
路線価といえば、一般的には上記の相続税路線価を指しますが、固定資産税路線価というものもあります。
固定資産税路線価とは、土地の固定資産税評価額を決める際の基準となる価格で、市町村が決定し、地方税にあたるものです。
相続税路線価は、公示地価の8割程度が目安とされています。
路線価の決定は、毎年1月1日時点の路線価が、7月に国税庁から発表があります。
公示地価よりも発表が遅いのですが、これは公示地価よりも調査する地点が多いということが原因です。
なお、固定資産税路線価は、固定資産税の評価替えに伴い、3年に1回、1月1日時点の価格が、4月ごろに市町村から発表されます。
公示地価は基準となる標準地のみの公示ですが、路線価は道路ごとに設定されます。
また公示地価はその土地に対する価格が決められるのに対して、路線価は一定の距離を持った路線によって価格決定されます。
路線価は様々な税金の算出のためですが、公示地価の主な目的は土地取引の指標です。

実勢価格と公示地価の違いについて

実際に土地が取引されている価格を、実勢価格と言います。
公示地価がその年の1月1日に鑑定と精査を重ねて設定される価格であるのに対し、実勢価格は周辺の過去の取引事例をもとに算出して求められた平均値です。
実勢価格は実際の取引に近い価格、ということになります。
しかし、実勢価格はあくまでも過去の取引事例をもとに算出されていますので、必ずしもこの価格で売れるとか取引されるというものでもありません。
土地の価格は、その時その瞬間、また当事者同士の事情で、価値が変わってきます。
土地の需要によっては価格が大きく左右されることがあり、実際の取引では、公示地価よりも何倍も上回ったり下回ったりします。
実勢価格はリアルタイムな価格で、現在の土地の流動的な生きた価格であるとも言えます。
実勢価格を調べるには、国土交通省が運営している「土地総合情報システム」を利用します。
土地総合情報システムを使うと、日本全国の土地取引の実勢価格を調べることが簡単にできます。
このシステムで調べられることは、土地取引の総額や坪単価、土地の形状、面積、土地の利用目的や前面道路の幅員と種類(公道か私道か)、用途地域、建蔽率と容積率です。
また過去の取引事例は、4半期ごとに閲覧することが可能です。
実勢価格が簡単に見つかる大都市では、取引価格の算定に参考になりますが、地方など土地取引がほとんどない所では、実勢価格が見つからないという場合もあります。

空き家、空き土地の値段を知りたいという場合に、お困りの場合は、弊社または当職においても相談を受け付けております。
またお気軽にお問い合わせください。

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