空き家のリフォームと建て替え-どうしたらよいか


長い間空いていた空き家を利用するには、改修が必要です。
空き家を放置していたら、腐食、かび、害虫、排水管つまり、赤水、給水管やガス管の劣化、雨漏りなどが、発生してしまいます。
人が住んでいる家よりも、経年劣化が加速的に進んでしまいますので、使う際の不具合や、耐震性などのリスクが発生しやすくなります。
そうなると、いざ使うという段階になりますと、修繕見積額が事前の予想以上に高くついてしまい、空き家そのものの利用を躊躇してしまうことも少なくありません。
リフォーム会社は、スケルトンリフォームみたいなことを勧めてきます。
一方、ハウスメーカーは、新築を勧めてきます。
本当に古い家は、建て替えるしかないのでしょうか?

スケルトンリフォームについて

スケルトンリフォームとは、柱や屋根を残して、新たな間取り、内外装、最新の住設機器を取り入れ、家全体を新築住宅みたいにリフォームすることをいいます。
そのメリットとして、
1.相対的な費用が建て替えよりも安い。解体費用や地盤改良費は不要。外構とか配管費用も抑えられ、登記費用、申請費も抑えられる。
2.完成までの期間が短い。
3.環境にやさしい。思い出のある柱や梁などの古材をそのまま生かすなどができる。
4.リフォーム後の住み心地をイメージしやすい。既存の間取りを活かすので、採光や使い勝手などが分かりやすい。
5.物件の評価額が相対的に低いため、税金が安い。
といったことが挙げられます。
デメリットとしては
1.プランの自由度が低い。もともとある基本構造に手を加えるため、制約が多い。
2.劣化が激しい場合などに、工事費用の増減がある。
3.保証、保険制度の不備がある。住宅瑕疵担保責任保険が制度化されていない。保険はあっても任意。
4.リフォームローンが未整備。融資額、金利、返済期間などで新築より条件が劣る。
といったことがあります。

建て替えについて

建て替えのメリットとしては、
1.自由度が高い。新規の建築ですので、間取りや構造、設備など自由に決定できる。
2.耐震性が高い。地盤改良や基礎工事など、最新の耐震基準に従って施工される。
3.費用が明確。坪単価という目安がある。
4.検査、保証、保険制度が充実している。
5.住宅ローンが組みやすい。
6.補助金、助成金が充実している。
ということが挙げられます。
一方デメリットとして
1.コストがかかる。
2.工期が長い。着工から完成まで、最低4か月程度かかる。
3.各種税金がかかる。固定資産税、都市計画税、登録免許税等がかかってくる。
4.建物が小さくなる場合がある。建蔽率や容積率の関係で、たとえばセットバックするなどで、建物面積が小さくなることがある。
ということがあります。
相談先により、リフォームが勧められたり、建て替えが勧められたりするのですが、上記メリットデメリットと共に、自分が今後どういう風に活用したいのかを検討して、総合的に判断する必要があります。

リフォームと新築、どっちがいいのかを判断する目安

リフォームのほうが良いケースとして、まずは、建物メンテナンス状態が良く、部分的なリフォームで済む場合が挙げられます。
また、耐震診断を受けてみて、もし耐震強度が不足していても、建て替えるよりずっと少ない費用で、耐震リフォームができます。
また、再建築が不可能な場合は、リフォームするしかありません。
さらに、歴史的価値の高い建物、ビンテージ物件の場合も、リフォームが望ましいと言えます。
その他、短期で工事を行いたいとか、費用を少しでも安く抑えたり、個人の思い出深い物件である場合も、リフォームの方がよいと言えます。
一方、新築が良い場合としては、まず、床や壁の傾きなど、現状の基礎や地盤に不安がある場合が挙げられます。
また、建物の配置を変えたい場合は、これは建て替えるしかありません。
また、雨漏りで構造躯体の腐食やシロアリ被害の場合は、補修や補強工事に多額の費用が掛かるため、費用面で新築が良いと言えます。
その他、耐震性や断熱性など住宅性能にこだわりがある場合や、既存住宅の間取りや外観デザインと要望との格差が大きい場合、長期保証が欲しい場合、資金の大半が融資の場合が挙げられます。
さらに、予算にかなり余裕がある場合も、新築がよいとも言えます。
新築は、坪当たり50万円程度の費用が掛かりますので、それで余裕があるとか、融資が受けられるとか、というのが、大まかな目安となるといえます。

空き家を活用するにあたって、リフォームでよいか、新築にするかについても、状況により個別性があります。
そういった空き家の活用についてもお困りの場合は、弊社または当職においても相談を受け付けております。
またお気軽にお問い合わせください。

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