狭小地の空き家をどうしたらいいのか


狭小地とは、読んで字のごとく、大変狭い土地のことで、こういう狭い土地の上に立つ家を、狭小住宅といいます。
大阪市周辺や京都市には、こういう狭小地に建つ狭小住宅が多く、そういった空き家も多くあります。
明確な狭小地の定義は存在せず、不動産業の商慣習上で、15-20坪以下の土地のことを、狭小地と呼ぶことが多い、ということです。
狭小地はなぜ発生するのでしょうか?また空き家の狭小住宅は、どうしたらいいのでしょうか?

狭小地はなぜ発生するのか

建築基準法第53条の2において、都市計画における敷地面積の最低限度を定めることになっていますが、その面積以下の土地を狭小地といいます。
たとえば、300㎡のまとまった空き地があるとして、その土地をそのまま売るのではなくて、例えば50㎡の6区画として分けて売ったら、総合計の販売額は大きくなります。
つまり、不動産販売戦略として、狭小地にしてしまうということがあります。
京都市内でも、土地15坪、50㎡ほどの細長い3階建ての一戸建てが林立しています。
また少し古い開発ですと、2階建の連棟住宅が連続している地区もあります。
さらに、もっと古い町内ですと、狭い木造町家が密集している地区もあり、木造建築密集地域として、火災が発生しやすく、問題になっている所もあります。
そういった狭小住宅は、土地の有効活用という面もあるとはいえ、採光、風通し、景観クオリティが下がるという問題もあります。
伝統工法による町家ですと、狭小であっても観光としての価値もあるとはいえ、景観クオリティが下がる事も多く、不動産価値を毀損原因にもなってきます。
また、道路沿いで、道路拡幅や都市計画道路の建設による土地収用により、狭小地が発生することもあります。
さらに、セットバックに伴い、狭小地が発生することもあります。
また、前面道路の反対側が、崖や河川の場合は、セットバックで大きく敷地が削られて、狭小地となることがあります。

狭小地の売却デメリット

空き家を売却処分しようとしても、狭すぎる土地は住宅には適していないということで、なかなか売れないことがあります。
その狭小地に新しく建てるにしても、間取りなどに大きな制限を受けることがあります。
普通のハウスメーカーで建てることができず、建築士に依頼することになり、建築単価が高額になることがあります。
建築時でも、重機搬入、建築資材搬入にも、経費が割り増しとなっていきます。
また、セットバックや土地収用のために狭小地となってしまった場合は、再建築不可物件となったり、従前と同規模の建物の建築ができなくなったりするといった建築制限を受ける場合もあります。
再建築不可物件となりましたら、住宅ローンの審査はまず通りません。
しかし、再建築不可物件となっても、空き家をリフォームすることは可能ですので、必要な修繕とリフォームを行って、丁寧に空き家管理を進めて活用する方向になるかと思います。

狭小地を売るには

もしその狭小地にある狭小住宅が人気エリアにあるとしますと、狭小であるゆえに価格が割安となります。
多少狭くても、通勤通学に時間のかかる郊外や田舎より、都市部に一戸建てを建てたいというニーズはかなりあります。
割安な価格で、人気のエリアに住宅が持てるというのは、確かに購入側にとってもメリットになります。
また商業地ですと、角地かつ防火地域の狭小地ですと、建蔽率の制限は緩くなりますので、敷地目いっぱいに建てることもできますし、商業地として特色ある建物としてデザインすることもできます。
事業用施設ですと、日照は住宅地ほど考慮しなくてもよいですし、道路に面した所ですと、路面店としてのメリットを出すことができます。
商売は立地が命ともいいますので、立地が良ければ狭小地でもよいということになります。

狭小住宅を活用するには

特に狭小地にある住宅が、再建築不可物件であるとすると、一旦解体したら再び建築することができません。
そのため、現状の建屋の住宅を直して使う、ということで、リフォームや空き家のメンテナンスの維持が大切になってきます。
再建築不可物件であっても、住宅のメンテナンスと立地が良ければ、売却も可能ですし、賃貸もしやすくなります。
利便性が高い地域ですと、賃貸物件として活用することができます。
また、人気エリアの商業地域ですと、カフェやブティックなど、事業物件としての活用をすることができます。
もちろん、狭小住宅所有者本人が、隣地を購入して、狭小地を脱却することもできます。
さらに、駅に近い更地でしたら、バイクパーキングや駐輪場としての活用もすることができます。
また、付近の土地の区割りも狭小な地域ですと、隣地の方への売却もできます。
隣地の人にとって見ても、自分の家の敷地が増えるのは、利便性も向上するし、不動産の利用価値も向上します。

早めの決断を

狭小住宅の立ち並ぶ地域は、その景観や道路付けの悪さなどで、不動産価値を毀損しやすい状況にあるといえます。
また、空き家を放置しておくと、どんどん建物の状態も悪くなっていきます。
それで、売るにしても、また直して活用するにしても、早期の決断が必要になってきます。
管理が行き届いた狭小住宅は、売るにも貸すにも容易に行うことができます。
また商業地域、例えば大阪市や京都市の観光地近くや中心市街地などですと、特色ある商業利用も可能になります。
それで、あきらめずにいろんな方法を考えて試してみるべき、といえます。

狭小地というのも、工夫したら使えるようになります。
狭小地の空き家についてもお困りの場合は、弊社または当職においても相談を受け付けております。
またお気軽にお問い合わせください。

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