空き家を売る?貸す?
空き家を放置しておくと様々な問題が生じます。
屋根や外壁がはがれて劣化したりスズメバチや害獣を発生させてしまったり遂には建物が傾いて倒壊してしまう…などの様々な問題が発生します。
管理だけ委託するにしても管理費がかかります。
また固定資産税や都市計画税を支払わなければいけないという問題も生じます。
空地などと違い居住用の土地には税金を最大1/6に軽減するという特例があります。
しかし、そのまま放置すると倒壊の恐れがあったり周辺の生活環境に悪影響を及ぼす空き家と指定されてしまうと、その特例の対象外になってしまい最大で6倍もの固定資産税を支払わなければならなくなってしまうのです。
さまざまな理由からどうしたらいいのかわからず空き家のまま放置されてしまうケースが少なくありません。
では、売るか貸すかどちらが良いのでしょうか?
どちらにしてもメリットもあればデメリットもあります。
それぞれの状況に応じた判断をすることが必要になります。
空き家を売る場合
空き家を売るメリットとしては「いっぺんにまとまった資金が入ってくる」ということが挙げられます。
しかし、その売却した金額が全て自分の手取りとなるわけではありません。
相続した空き家を売却して利益が出た場合、譲渡所得税を支払わなければなりません。
平成28年(2016年)度の税制改正において「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」といって条件を満たせば3000万円の特別控除を受けることができるようになりました。
この特別控除を受けることができたら空き家の売却益が3000万円以下であれば税金が課税されないので大きな節税効果があります。
従来、3000万円の特別控除を受けるためには“所有者がそこに住んでいた家や土地を売る場合”という条件が付いていました。
しかし年々増加する空き家問題への対処として、自ら住んでいなかった空き家であっても条件を満たせば「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」の特別控除が受けられるようになりました。
この適用条件は下記の通りです。
1.1981年(昭和56年) 年5月31日以前に建築された建物であること
2.相続する前亡くなった人が一人で住んでいた家
3.相続した時から譲渡(売却)まで賃貸などに使われていないこと
4.建物がある場合は一定の耐震性が認められること、または家を解体して土地だけを売却する場合
5.譲渡(売却)期間は2016(平成28)年4月1日から2023(令和5)年12月31日まで
6.相続の開始があった日(亡くなった日)から3年後の年末までの間に売却したもの
7.適用期間は2027年(令和9年)12月31日まで
この4.については、工事には費用が必要ですが解体や工事に国や自治体の補助金が使える場合もあります。
また隣接住民への対応や草刈りなどの日々の管理面への気苦労また固定資産税の支払といった必要もなく、売却先が見つかりさえすれば手間や手離れは一番少ない方法といえます。
一方デメリットとしては「売却先がなかなか見つからない」ということがあります。
好立地では隣地の方や知り合いで購入希望者を見つけるのは容易かもしれませんが、特に交通アクセスや買い物の不便な場所での空き家の売却の場合「売りたくても売れないケースも」多々あります。不動産業者を通して売却する場合は仲介手数料が必要にもなってきます。
では更地にしてから売ってはどうかと考えた場合、家の解体費用が必要になることと、固定資産税が増えてしまうといった懸念もあります。
空き家を貸す場合
空き家を貸す場合のメリットは賃料収入を確保できるという点にあります。
長期的に安定して賃貸できたら売却するより手取り収入が多くなるということもあり得ます。
また空き家を売る場合は資産である空き家を手放すことになりますが、空き家を貸す場合は、資産を保有し続けることができます。思い入れのある実家を一旦賃貸に回して将来自分や子供、孫などが住むという可能性を残せます。
一方デメリットとしては、どうしても手入れが必要なためリフォーム費用がかさむという点があります。
短期間でも空き家になると人が住んでいるときに比べて劣化が早く大規模リフォームを行わないと貸せないケースも出てきますし、リフォームを行っても入居者がなかなか決まらないこともあります。
初期投資としてリフォーム費用をかけたものの、当てにしていた収入はほとんど入ってこなかったということにもなりえます。
また無事に入居者が決まっても家賃滞納などのトラブルが発生し、それらの対応に悩まされる可能性もあります。
また家を貸すということは、賃貸物件を所有することになりますのでもし事業的な規模である場合には不動産収入という家賃を得る個人事業主となります。
そのため開業日から1か月以内に「個人事業主の開業・廃業等届出書」を管轄税務署に提出し所得税などの税金を納めるための準備が必要となります。
また青色申告承諾申請書を開業日から2か月以内に提出しなければならなかったり、生計を共にする配偶者や15歳以上の親族が事業を手伝っている場合には、その給与の届出書を提出する必要もあります。
さらに確定申告に向けて収入や経費の帳簿記載が必要になります。
自営業なら普通に行っていることですがそれが本職はサラリーマン等ですと負担になるのかもしれません。
「空き家を売ったらいいのか?貸したらいいのか?」お困りの場合は、弊社または当職においても相談を受け付けております。
またお気軽にお問い合わせください。
空き家を売ったらいいのか貸したらいいのか、お困りの場合は、弊社または当職においても相談を受け付けております。
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