最新(2018年10月現在)の空き家率と空き家戸数について

日本の人口が減っていくのに、新築住宅の建設がまだ続いています。
そうなると、空き家の戸数が必然的に増加していく、ということになります。

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個人住宅の空き家の増加

最新(2018年10月現在)の空き家率・空き家戸数などが発表になっています。
これは、総務省が4月26日発表した2018年10月時点での住宅・土地統計調査に基づく統計数字になります。
平成30年住宅・土地統計調査です。
やはり空き家率・空き家戸数の増加傾向は続いています。
近年空き家対策の施策が行われているものの、成果が出ていないようです。
今回の統計において 全空き家に占める「その他の住宅」つまり個人住宅の割合が、38.8%から41.06%に増加しています。
「賃貸用の住宅」は2万戸(0.4%)の増加なのに対して、「その他の住宅」が29万戸(9.1%)の増加となっています。
「その他の住宅」の戸数そのものも、318万3600戸から、347万3700戸と、約29万戸増えています。
つまりこの5年間で主に増えた空き家は、個人住宅の空き家である、ということがいえます。

なお、大阪府の「その他の住宅」の空き家戸数は、前回の21万4400戸から20万8400戸に減少しています。
これは、近年なんば駅周辺の心斎橋、道頓堀、黒門市場、新世界、また大阪城などが、外国人旅行者で埋め尽くされている現状からみてわかる通り、インバウンドに伴うゲストハウスや民泊などへの用途変更が進んだとみられます。
また、国内の住宅総数に占める空き家の割合は、過去最高の13.6%となっています

政府は、中古住宅の活用や老朽化した空き家の撤去を促す政策を相次いで導入していますが、空き家の増加に追い付いていないのが現状となっています。
住宅戸数も179万戸多い6242万戸となり、過去最多となっています
それで、住宅総数、空き家数、空き家率とも右肩上がりが続いているという現状です。

どういう空き家がどこで増えているのか

空き家のうち、「その他の住宅」347万戸は、賃貸や売却用以外で、長期にわたって不在の住宅や取り壊し予定の住宅です。
賃貸用は431万戸、売却用は29万戸、別荘などの「二次的住宅」は38万戸となっています。
空き家率が最も高い都道府県は、21.3%の山梨県。
次いで20.3%の和歌山県、19.5%の長野県、19.4%の徳島県となっています。

空き家対策をどうしたらよいのか

人口は減り、空き家は増えているので、現在は、新築住宅建設に規制をかけていくべきといえます。
現在、空き家対策に公費を投入している現状があります。
それで、経済合理性だけを追求した無秩序かつ無計画な新築着工に対して、行政がしっかり規制していくべき段階に来ていると言えます。
人口が減り、空き家が増えている中、新築中心の住宅市場のままだと、住宅は資産としての価値を保つことができません。
また、賃貸市場に出ている空き家、空き室はまだいいとして、賃貸市場に出ていない個人住宅の空き家は外部不経済や機会損失などの弊害が生じがちです。
増え続ける個人住宅の空き家を社会的課題解決の場所として活用したり、街の新しいコンテンツとして再生したりするといった働きかけが、ますます重要になってきます。
また現在、生活費に占める家賃の比率は、東京都の25歳未満で44.9%に達しています。
つまり、収入の半分近くを家賃として支払っているということになります。
最近、家賃滞納者が多いと言いますが、その一因が高すぎる家賃ということは言うまでもありません。
それで、現在何も使われていない「その他の住宅」の空き家を、貸家として供給をすることにより、供給が増えて家賃が下がることになりますので、家賃比率を下げ、低廉な賃貸住宅の提供をすることができます。
これは、中古住宅市場においても同様といえます。
住宅の所有者こそ、自分たちの資産を守るために、たくさん新築住宅を建てて住宅を余らせるのではなく、新築中心から中古中心への住宅市場の転換を訴えていく必要があるといえます。

空き家をどうしたらよいのか、わからない場合は、弊社または当職においても相談を受け付けております。
またお気軽にお問い合わせください。

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