空き家を個人に寄付するにはどうしたらよいか
空き家を個人に寄付するには
第一候補は隣地の所有者
使わない空き家をどうしたらいいのか、という相談があります。
空き家を処分したいのに、どうしても売れない場合は、寄付しかないという場合があります。
それで、空き家を他の個人に寄付することもできます。
この場合、一番可能性が高いのは、隣地の所有者に寄付をするということです。
隣地の所有者にとっては、隣の他人の土地が自分の土地となるので、一体として利用できます。
土地や家が広くなって、使い勝手がよくなるというわけです。
さらに一団の土地として合筆ができるというメリットがあります。
その他の方でもよいですが、寄付後のトラブルの可能性もありますので、まずは隣地の所有者が第一候補ということになります。
個人に寄付する場合の注意点
個人に空き家を寄付する場合の注意点として、贈与税の問題があります。
つまり、寄付を受ける人は資産が増えることになるので、その分が贈与とみなされるということです。
贈与税には、基礎控除が110万円あります。
それで、土地建物の評価額として、110万円を超えているなら、贈与税の課税があるということです。
また、無償で譲渡し寄付をする場合は、相手に所有権移転登記手続費用を払ってもらいたいと思うはずですので、贈与税と所有権移転登記手続費用の支払をする必要があることを、相手にちゃんと伝える必要もあります。
贈与に必要な書面
ただ単純に空き家を贈与したらいいというものではありません。
その事実を書面にしておく必要があります。
トラブル回避には、書面による契約が優れていますし、相手にしてみても、後で返せと言われては困るので、贈与契約書というものを作るのが良いと言えます。
その贈与契約書の記載事項は以下の通りです。
1.贈与者氏名、受贈者氏名で贈与契約を締結した旨
2.土地の所在、地番、地目、地積(登記事項証明書で確認をする。)
3.家屋の所在、家屋番号、種類、構造、床面積(登記事項証明書で確認する。)
4.所有権移転登記について日時及び費用負担者
5.公租公課につき負担者及び負担額
6.収入印紙200円貼付
やはり書面にしておかないと、所有権移転登記がなされていない等といったトラブルも発生する可能性があります。
それなりに価値がある資産とも言えますので、そのあたりは間違えないように、ちゃんと書面に残しておく必要があるといえます。
過疎が進む地域での譲渡について
滋賀や奈良、和歌山、また京都府といった山間部は、今急速に過疎が進んでいます。
例えば、京都市左京区大原の山奥には、政令指定都市であるにもかかわらず、廃村になった集落があります。
そこには、廃屋や廃校が存在するということです。
廃村になりゆく集落では、隣の人に寄付すると言っても、自分も村を離れようと思ってたのに、いまさら譲渡を受けるなんて迷惑だ、ということがあるかもしれません。
それでもその村への道路はつながっていますし、電気も来ています。
そこに移住したり、何かのイベントに使うという若者たちもいます。
そういう方に、使ってもらうという方法もあるかと思います。
まさに、そういった若者に、空き家を無償で譲渡して、使ってもらうという方法があります。
その場合でも、契約書の作成及び登記を忘れず行うことです。
登記を忘れていると、固定資産税は前の所有者の所に来ることになります。
空き家を寄付したいが、隣の人も受け取ってくれない等、空き家をどうしようもないとお困りでしたら、弊社または行政書士小舘武が、相談を受け付けております。
空き家の寄付先も含め、探すことができます。
またお気軽にお問い合わせください。