分譲マンションの空き家問題

分譲マンションの空き家問題について

日本最初の鉄筋コンクリート造の都市型集合住宅は大正末期から昭和初期にかけて建てられた同潤会アパートと言われています。そして、日本最初の分譲マンションは1956年建築の四谷コーポラスということです。これらのマンションはいずれも東京都内です。
それ以降、分譲マンションが主に都市部に続々と建築されることとなりました。
つまり分譲マンションでももうすでに60年ほどの歴史があるわけです。
一方、分譲マンションの区分所有者もどんどん高齢化し相続人の問題や、マンションそのものが老朽化して建て替えが必要といった事態になっています。
空き家と聞いて思い浮かぶのは多くの場合古い木造家屋かもしれませんが、実は日本の空き家の多くは最近では戸建てではなく、マンションなのです。

 

分譲マンションの空き家の問題点

平成30年の住宅・土地統計調査によると、国内の空き家の数は過去最高の849万9千戸となり全国の住宅の13.6%を占めているそうです。空き家は少子高齢化などを背景に増加の一途をたどっています。
例えば、東京都の空き家数は81万7000戸ですがそのうち6割超の51万8600戸が鉄筋コンクリート造などの非木造住宅ということです。このうち、分譲マンションの占める割合が急激に増えるとみられています。
国土交通省によると全国の分譲マンションストックは平成29年末において約644万戸で現在も増え続けているそうです。
そのうち、1981年6月より前に建築されたいわゆる旧耐震構造のマンションが約104万戸あるといいますので分譲マンション全体の約16%を占めています。
これらの古いマンションがいったん空き家になると耐震性や耐久性の問題で、売却も難しくなります。
分譲マンション全体の空き家率が現在2.5%程度ということですが、これが築30年以上になりますと空き家率が10%を超えるとみられています。
またこういう老朽化マンションは、区分所有者の高年齢化に伴い相続の問題が発生します。
たとえばマンションの区分所有者が90代その子供が60代などとなっていたら子供世代はすでに別の所に家を所有しているケースが多いと思われますので、相続人である子供や孫がその老朽マンションに居住する可能性は低いと思われます。
それに、相続したマンションをそのまま賃貸に出せたらいいのですが築年数が古いと設備が老朽化しているため大規模なリフォームが必要になり、その分の費用が発生します。
また膨大な家財道具があり手が付けられず、そのまま放置しているというケースも多いかと思います。
特に近年は東京や大阪・神戸でタワーマンションが多数みられますが、こういう物件もやがては老朽化してしまうので、今後はマンションの空き家問題が顕在化するものと思われます。

老朽化マンションの建て替え問題

老朽化した分譲マンションを古くなったからと言って建て替えるためには、同様に区分所有している他の所有者の同意が必要です。区分所有法では、マンションの建て替え決議が成立するためには単棟の場合「区分所有者および議決権の4/5以上」の賛成が必要とされています。
建て替え決議がなされた場合には、建て替えに反対する所有者に対しては区分所有権の売渡請求をすることになります。その区分が空き家になっていれば所有者を探し出さなければならず、所有者が亡くなっていれば相続人が対象となりさらに複雑になります。
また、マンションの建て替えに新たに費用負担が発生するとなれば大多数の賛成を得ることは難しくなってしまいます。

一方、容積率に余裕がある場合はマンションを建て替えて床面積を増加させ、増加分を売却することにより各戸の費用負担を抑えて建て替えることができるのですが、こういうケースはまれのようです。
逆に、容積率が建築当時より小さくなってしまうという既存不適格物件も多くこの場合は建て替えるメリットよりデメリットの方が多くなってしまうでしょう。
そうなると、マンションの建て替えもできずに建物がどんどん老朽化してしまい、相続放棄が起きてしまうほどに、資産価値が下がってしまうことになります。

管理費、修繕積立金の未納の問題

管理費や修繕積立金は、マンションを管理したり修繕を行うために徴収が必要です。
しかし近年、区分所有者の高齢化や死亡後の相続人の放置により管理費や修繕積立金の滞納が出てきています。
管理費未納や積立金不足があると資金が足りないわけですので管理や大規模修繕工事に支障が出てしまい、建物の老朽化が進みます。そのため居住者の減少につながり、他の住民にしわ寄せがいき、さらに居住者が減少するという悪循環に陥ってしまうのです。
分譲マンションの相続放棄による空き家化を防ぐには、マンションの資産価値を下げないことが大切です。そのためには、管理組合などによる建物のメンテナンスがとても重要なになってきます。分譲マンションの適正な管理の促進に向けて東京都は2018年3月に「マンションの適正管理促進に関する検討会」を設置し、対策を進めています。
マンションの空き家に関する諸問題についてもお困りの場合は、弊社においても相談を受け付けております。
お気軽にお問い合わせください。

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