相続した空き家の確定申告について
空き家の譲渡所得とは
親の家を相続するなどで、空き家を相続することがあります。
居住や賃貸をせず、そのまま使わずに放置する場合も、それはそれで問題です。
その一方で、売却ができた場合、売れたからそれでいいというわけではありません。
相続又は遺贈を受けた空き家は、たとえ手間と金のかかる負動産であったとしても、いわば無償で財産を取得したことになります。
その譲ってもらった家を、有償で売ったら、譲渡所得が発生するということになります。
つまり、その譲渡所得には税金が発生する、ということになります。
では、その税金をどのようにして支払うのでしょうか?また税金を減らす方法はあるのでしょうか?
譲渡所得の確定申告
この家を売った譲渡所得税ですが、会社に勤めている人のように、源泉徴収のようなな手続きがあるわけではありません。
譲渡所得税は、確定申告を行って、税務署または確定申告会場で申告することになります。
この譲渡所得税の確定申告書の作成方法については、税務署で聞いていただくか、または類書やネットで探すこともできます。
または、税理士に申告書作成の依頼をするか、ということになります。
被相続人の居住用財産(空き家)を売った時の特例
また、この譲渡所得税ですが、安くなることがあります。
これは、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」という名称です。
制度の概要は、国税庁HPによりますと、「相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等を、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に売って、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができます。
これを、被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例といいます。」
となっております。
例えば、売れた金額が3500万円であったとすると、3500万円から3000万円を控除して、残り500万円について課税される、ということになります。
またその被相続人居住用財産ということですが、これは、被相続人が亡くなるまで居住されていた家のことです。
そして、下記の条件に当てはまるものです。
1.昭和56年5月31日以前に建築されたこと。
2.区分所有建物登記がされている建物でないこと。(要するにマンション)
3.相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。(つまり亡くなった方の1人住まい)
また、適用条件として、相続人が建物等を取得して、それを売るというわけですが、その他に
1.相続の開始があった日から3年目の都市の12月31日までに売ること。
2.売却代金が1億円以下であること。
3.親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものではないこと。
といった、条件となっています。
譲渡所得税の特例の申請について
この譲渡所得税の特例の申請ですが、確定申告の際に、下記の書類を添えて、管轄税務署に提出することになります。
例えば、京都市の空き家の場合は、下記の通りになります。
(1) 家屋又は家屋及び敷地等を譲渡する場合
ア 譲渡所得の金額の計算に関する明細書
イ 被相続人居住用家屋,その敷地等の登記事項証明書等
・法務局にて家屋,その敷地等の登記事項証明書等を取得可能。
ウ 被相続人居住用家屋,その敷地等の売買契約書の写し等
エ 被相続人居住用家屋等確認書
・被相続人居住用家屋の所在市区町村に申請し,交付を受ける。
例えば、京都市域に当該家屋が所在する場合は,京都市都市計画局まち再生・創造推進室へ申請し,確認書の交付を受ける。その申請の必要書類も、京都市HPに掲載あり。
オ 被相続人居住用家屋の耐震基準適合証明書又は建設住宅性能評価書の写し
(2) 家屋の取壊し,除却又は滅失後の敷地等を譲渡する場合
(1)のア~エの書類
これらもまた、空き家のある各自治体で確認をお願いします。
これらも、空き家の発生をなるべく防ぐために設けられた特例措置という制度です。
ただし、使える期間も限られますし、自分で(または税理士に依頼して)申告しなければなりません。
分からない点がありましたら、税務署や税理士にお聞きになるほか、弊社においても相談を受け付けております。
またお気軽にお問い合わせください。