所有者不明の土地建物について

所有者不明土地とは

所有者不明土地は、最近、社会的問題になっています。
また最近は、国会論戦もありました。
調査したところ、所有者不明土地の面積は、九州の面積を超えるということです。

なぜ土地建物が所有者不明になるのか

では、土地建物がなぜ所有者不明になるのでしょうか?
過疎地にあるとか山林とかで、財産的な価値や利用価値が低い土地建物の所有者が亡くなった場合に、本来は相続登記をしなければなりません。
しかし、相続登記を行うのも、費用が掛かります。
さらに、所有していても固定資産税等の維持費がかかるため、遺族間でそれらの土地建物の押し付け合いになることもあります。
そのため、相続登記をしないまま放置されてしまいます。
こういった土地建物のうち、相続人が散在してしまって、きわめて多数になったり、あるいはまったく不存在の場合もあります。
地域で土地建物が放置されていて、誰に聞いても所有者が分からず、市役所から固定資産税の納付書を送っても返送されてしまう、という事態も発生しています。
こういう土地建物になりますと、放置されたままですので、地域に悪影響を及ぼします。
それで、行政代執行で解体するにしても、その費用の請求先が分からないということになります。
建物解体後の土地を競売して解体費用を回収するにしても、債務者名義が不明ということになってしまいます。

所有者不明土地に関する国交省の指針

国交省の指針について

この所有者不明土地について、国土交通省は新たな指針をまとめています。
まず、自治体の土地取得の部署が、固定資産税の納付の情報を使えるようにして、公共事業等が円滑に進むようにする、ということがあります。
また、NPO法人などが供託金を納めることで、暫定的に5年以上土地を利用できるようにすることもあります。
国土交通省は、この新たな法案を、来年の通常国会に提出することとしています。

「NPO法人など」の解釈

この上記「NPO法人など」に注目です。
つまり、NPO法人にとどまらず、公益性を持つと認められる法人には利用権を認める、と読むことができます。
つまり町内会のような地縁団体法人や、一般社団法人、一般財団法人、社会福祉法人等にも認められる道があるのでは、ということです。
具体的には、来年の通常国会を待たないと分かりませんが、公益のために所有者不明土地を活用するという目的ですので、NPOの他に公益性のある法人にも利用権を認めるという方向性になるのでは、と見ています。

不動産所有者がいない場合の手続

さて、具体的には、相続人全員が、こんな田舎のぼろい空き家はいらないということで、相続放棄する場合もあります。
また相続人そのものが存在しないという場合もあります。
その場合の手続きは、具体的には家庭裁判所に対して、相続財産管理人選任という手続をとることになります。
最終的には国庫に帰属ということになりますが、特別縁故者に財産分与がなされる場合もあります。
つまり、所有者不明土地建物を取得したいという場合、NPO法人等を作ってしまうか、または特別縁故者にどうやって入っていくか、ということになろうかと思います。
なお、空き家の所有者特定フローが、ネットに掲載されています。

また、空き家に関することなどでお困りでしたら、空き家の解決ドットコムまたは私 行政書士 小舘武まで、お気軽にご相談ください。

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