DIY型賃貸借とはどういうものか?

空き家の老朽化と改装費用

空き家はたいてい老朽化しています。
その一方、多くの人の居住感覚は、ウォシュレットやオートバスなどの新しい住宅設備に対応して、新しくなっており、かつ多様化しています。
それで、老朽化した家を、現代日本人が住めるようにして整備して貸せるようにするには、たいてい多額の費用が必要です。
その改装費用は、基本的には家を貸す側が負担するのですが、貸主側が数百万円などという多額の費用が支弁できない場合が多くあります。

DIY型賃貸借という選択肢

上記のように空き家の改装が困難な場合に、貸主は現状のまま貸し出して、その代わり、借主の好きなように改装してもらうことができるという契約をすることができます。
それを、DIY型賃貸借と言います。
国土交通省による定義ですと、「工事費用の負担者が誰かに関わらず、借主の意向を反映して住宅の改修を行うことができる賃貸借契約やその物件」を指す、ということです。
このDIY型賃貸借という定義ですと、修繕費用をだれが支出するか、貸主か借主かは、関係がないといえます。
ただ、通常この契約の場合は、借主が費用を負担するということになりますので、賃料を相場よりも安くする、ということになります。
つまり、貸主は借りる人に対して、家賃を安くするから、自分で直してね、と言うことになります。
それで、貸主が老朽化した空き家を活用するためには、大変便利な賃貸借契約である、といえます。

DIY型賃貸借のメリット

貸主側のメリット

このDIY型賃貸借における貸主側のメリットしては、
1.現在の状態で賃貸でき、修繕の費用や手間がかからない。
2.借主がDIY工事を行うため愛着が生まれ、長期入居が見込まれる。
3.明け渡し時に設備・内装等がグレードアップしている可能性がある。
といったものがあります。

借主側のメリット

また、借主側のメリットして、
1.自分好みの改修ができ、持ち家感覚で居住することができる。
2.DIY工事費用を負担する分、相場より安く借りることができる。
3.DIY工事部分は原状回復義務をなしとすることもできる。
というものが挙げられます。
このDIY型賃貸借の場合の手順ですが、
1.募集する。借りる人と工事内容等について協議する。
2.契約する。DIY内容についても合意の上合意書も作成する。
3.工事する。適宜立ち合い確認、写真撮影、合意通りの内容かどうかもチェックする。
4.管理する。完成したら、入居中もDIY実施部分以外の管理修繕の実施(これは一般的な賃貸借契約と同様)。
5.退去の時。必要ならDIY工事部分の費用精算も行う。
という流れになります。

国土交通省のガイドブック

国土交通省は、DIY型賃貸借に関する契約書式例とガイドブックを作成しています。
こういったものも参照しながら、空き家を借主にDIYしてもらって使ってもらう、ということができます。

DIY型賃貸借に関する契約書式例とガイドブックの作成について ~個人住宅の賃貸流通の促進に向けて~

http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000046.html

最後に


実際に、借主の目的に応じて、居住目的の他、いろんなお店や事務所、また宿泊施設などに改装していただくことができます。
あとは現地の用途区域や都市計画に適合することの他、貸主が望まれる土地建物利用の理想、また将来目的にもかなっているかどうかが鍵になってきます。
是非、古い空き家をお持ちの方は、ご活用をご検討ください。
空き家の解決ドットコムでは、空き家お有効活用についての無料相談を承っております。
ぜひお気軽にご連絡頂き、ご活用ください。

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