空き家跡地を駐車場として運用する方法

空き家を解体した跡地の利用方法の一つとして、コインパーキングや月極駐車場にしてはどうかと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、駐車場経営も投資の一種ですのでリスクとリターンをしっかり考えて決断しないと、利益が出ないということになりかねません。

駐車場にするメリット

駐車場経営を行うメリットは数多くあります。
まず、不動産投資の中で駐車場経営は初期投資額が小さいので事業資金はそれほどかからないということがあります。

すでに土地付き空き家があるのなら、空き家を解体して更地にしてしまったらあとは簡単な設備を置くだけで、駐車場経営を始めることができます。
月極駐車場や「野ざらし式の一時駐車場」なら都市部のコインパーキングのような自動徴収式の駐車管理ユニットでさえ導入する必要はありません。
これは、本当に更地のままで利益を生み出せる手段です。
駐車場ビジネスで経費が発生するのは、基本的には空き家の撤去費用・整地・アスファルト敷設・フェンスとなります。
まず空き家の解体ですが木造住宅の解体費用は1坪あたり6千から1万円程度ですので延べ床面積が100㎡の場合60-100万円はかかります。
金額に開きがありますが高くなる要因は作業が大変になる夏場や人手が足りなくなる繁忙期に作業を行ったり空き家のある土地が大型重機を使えない場合(路地奥など)が挙げられます。
次に整地費用ですが掘削や「残土の処分」「地盤を固める作業」があり総額およそ1㎡あたり2,000-2,500円程度です。
敷地面積が100㎡ですと20-25万円となります。
アスファルト敷設費用ですが、基礎を作ったうえでアスファルトを敷設することになります。
これは1㎡あたり5000円ですので敷地面積が100㎡ですと50万円かかるということになります。
最後にフェンス設置工事費用ですが、最も安いもので1mあたり1万円ほどします。
100㎡の土地が、縦10m横10mの正方形とします。3辺に設置しますと30万円ということになります。

また、月極駐車場ですと駐車場法が関係しますが500㎡以上の駐車場で時間貸の駐車料金ですと市役所への届出が必要です。
それ以外は市への届出も必要なく規制は緩いという特徴があります。
また一般的な商売よりも半分以下の手間ですむので「経営に必要な工数が非常に少ない」という特徴があります。
従業員を雇用する必要はありません。
契約して、代金を受け取り税金を支払うのが基本の作業となります。
管理会社や常駐管理人すら必要はありません。
つまり、「無人管理のため従業員の人件費」「顧客の管理が不要ということになります。」
例えば貸家にすると、家賃滞納者や反社会的勢力といった不良入居者との対応に苦労しますが、駐車場経営については、こうした煩わしい顧客管理業務がありません。
また更地にしてアパートマンションを建てるなどになりますと建築士や施工業者、行政書士など多くの人が関わって大変なことになりますが駐車場経営はそういうことがありません。
また、駐車場経営は初期投資額が少ないので万が一事業を撤退してもリスクが小さいという利点があります。
つまり、失敗した時に必要なコストがとても低いためオーナー個人の人生まで大きく毀損することがありません。

駐車場にするデメリット

上記の数多くのメリットの反面、駐車場経営に伴うデメリットもあります。
まず、住宅が建っていることで土地の固定資産税が6分の1になりますが、建物がなくなるために「固定資産税の減税が無効」になることで税金が高くなるということが挙げられます。
つまり、更地にして増税した分を駐車場経営で取り戻せないと実質赤字になるということになります。
また、撤退戦略は簡単ですが駐車場経営から撤退した後どうするかが難しいということがあります。
駐車場経営が失敗した後の空き地の利用について、すでに整地でたくさんの費用をつぎ込んでしまったため売却の適正価格はさらに値上がりしてしまうことになります。
つまり心理的にますますその土地を売ることをしにくくなるので、高い固定資産税を払い続けることにもなりかねません。
また、駐車場はアパートマンション経営と比べて収入が少ないという点があります。
駐車場経営は、土地活用のパフォーマンスがとにかく低いビジネスということになっています。
アパートマンション経営は、駐車場経営の4倍儲かると言われています。
それで、アパートやマンションの経営と比較して収入は低くなるという問題点はあります。
しかし再建築不可などで駐車場としなければ活用できない、または家をそのまま残して修繕して賃貸という方法しかない場合は、有効な手段であるともいえます。

また「車離れという経済変動リスクがあります。」
駐車場は車を置く場所ですので、車が減ってしまったら駐車場経営は立ち行かなくなります。
現在の日本は、人口そのものが減少しています。
加えて、高齢化社会で高齢者が自家用車を手放す機運が高くなっています。
さらに付近でライバルも同じように駐車場経営をするかもしれず、その競争も発生します。
そこで、競合となる駐車場の稼働状況リサーチを必ず検討課題にする必要があります。
「空き家を解体して駐車場経営にした方がいいのかどうか、どうやって駐車場経営していくかについて」もお困りの場合は、弊社または当職においても相談を受け付けております。
またお気軽にお問い合わせください。

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